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スクリプト送信スクリプト
AS RunnerはAppleScriptをネットワーク上で転送・実行するためのプラットホームです。スクリプト送信スクリプトはその性能を引き出すスクリプトであり,AppleScriptをエージェントとして転送し実行する遠隔制御ツールです。
スクリプトオブジェクトの送信
はじめにダブルクリックで起動して,接続先を指定します。使用中のMacintoshからAppleTalkのプログラムリンクで接続できるすべてのアプリケーションが表示されますが,接続先は
AS Runnerしか選べないことに注意して下さい。
AS Runnerが起動していない場合は,かわりにFinderを選んで下さい。自動的に
AS Runnerが起動されます。MacOS9以上であれば,IPアドレスを直接入力するだけで接続することができます。接続を行う際には,相手先のコントロールパネル「利用者とグループ」(MacOS8.1以前)または「共有設定」(MacOS8.5以降)で設定されたパスワードが必要になります。鍵束(漢字Talk7.5)またはキーチェーン(Mac OS 9)を利用することもできます。
接続が確立されると,「スクリプト送信スクリプト」を待機させます。待機中はメモリに常駐してネットワークの接続を維持しているので,送信したいスクリプトを「スクリプト送信スクリプト」にドラッグ&ドロップすると自動的に接続先に転送されて実行されます。転送先でスクリプトが実行されると,実行結果が画面に表示されます。
送信できるスクリプトの形式は,テキスト(未コンパイル),コンパイル済みスクリプト,スクリプトアプリケーション(scptリソースのみが送信されます),
Data Component Objectによるバイナリ形式(
AS Compilerを利用して作成)のいずれかを用いることができます。
鍵束またはキーチェーンを利用していない場合,アプリケーション「スクリプト送信スクリプト」をいったん終了してしまうと,再接続にパスワードが要求されるようになります。
スクリプトテキストの送信
「スクリプト送信スクリプト」を起動し接続先を指定した後,「テキスト入力」というボタンを選択することができます。この機能では,テキストを入力して相手のMacintoshの画面上に表示したり,入力したテキストをAppleScriptとして相手先のMacintoshで実行することができます。
上の画面は,ネットワーク上のMacintoshの再起動を行おうとしているところです。入力するスクリプトはAppleScriptの文法で入力して下さい。
送信先でコンパイルする場合,内蔵されたエージェントにより送信先のMacintoshのAppleScript表現形式が自動的に調べられ表示されます。スクリプトは文字列のまま相手のMacintoshに送られて,そこでコンパイルされ,実行されます。また,送信元でコンパイルを行ってからエージェントとして送信することもできます。これにより,相手のMacintoshのAppleScript表現形式の設定に関わらず,使い慣れた表現形式によってスクリプトを記述することができるようになります。
また,入力されたテキストはスクリプトとして実行するだけではなく,相手先のMacintoshで動作しているAS Runnerに対してメッセージとして表示させることもでき,ピアツーピア型の簡易チャットとしても機能します。どちらかがキャンセルボタンを押すまでメッセージの交換が可能です。
サンプル
スクリプトファイルのクリエータを「送信」にしておくと,ダブルクリックするだけで送信することができます。すぐに利用可能なサンプルとして,以下のスクリプトが付属します。以下のファイルをダブルクリックすると自動的にスクリプトが送信され,結果はウインドウに表示されます。
- ファイル共有の調査
- 送信先のMacintoshのファイル共有の状態が画面に表示されます。
- ファイル共有の開始・終了
- 送信先のMacintoshのファイル共有が停止していれば開始され,動作中なら終了します。実行後は
送信先のMacintoshのファイル共有の状態が画面に表示されます。
- システム終了・再起動
- 送信先のMacintoshのシステム終了または再起動を行います。
それぞれのスクリプトはスクリプト編集プログラムで編集することが可能です。
結果の表示・保存
相手先のMacintoshで実行されたスクリプトはときに「結果」を返します。この結果が文字列などであった場合,送信側の画面に表示されます。
結果がレコードなどの文字列に変換することのできないデータであった場合,
Data Component Objectフォーマットでファイルに保存することができます。このフォーマットではAppleScriptのいかなるデータも保存することができます。
また,遠隔制御に必要なすべてのルーチンは共有ライブラリ
AS Runner Objectにおいて提供されているので,業務内容に合わせた分散処理システムやサーバ&クライアントシステムを構築することができます。
セキュリティについて
ネットワーク上の遠隔制御はセキュリティの維持が重要になってきます。主なセキュリティ機能はMacOSのセキュリティ機能に依存しています。すなわち,スクリプト送信スクリプトからリモートのAS Runnerへの接続にはプログラムリンクの許可が必要です。プログラムリンクの許可にはコントロールパネル「AppleTalk」(または「ネットワーク」),「共有設定」,「利用者とグループ」の設定が必要です。接続の際には「利用者とグループ」で設定したパスワードが必要です。
また,AS Runnerはネットワークからの割り込みを防ぐモードを備えています。詳細な設定は付属の初期設定スクリプト「設定アシスタント」で行うことができます。
遠隔制御時には制御元・制御先の双方にログファイルが記録されるので,管理に役立てることができます。
動作条件
必要条件
- AppleScriptが動作する環境
(漢字Talk7.5以降を推奨)
- AS Runner(リモート側)
以下のファイルは必須ではありませんが,環境やバージョン,利用する機能により,必要なことがあります(ローカル側)。
共有ライブラリはスクリプト本体と同じフォルダに入れることができます。必要なライブラリのみを手軽にインストールすることができるネットワークインストーラが付属します。
このソフトウエアはすべての環境において完全に動作することを保証するものではありません。このソフトウエアを使用したことによるいかなる結果についても作者は責任を負いませんので,ご自分の責任において使用して下さい。
Classic版,CFM Carbon版それぞれの動作環境については動作環境についてを参照してください。
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